シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

あなたの人生、片づけます  垣谷美雨著

私には珍しく小説です。
「下手な片付け本より、片付けがしたくなります。」という紹介に惹かれて読みました。
確かに、片づけたくなったし、本の片付けが進みました!

プロの片づけ指導の人がやってきて―  という話が何本か載っています。



書名の通り、人生片づけるには、物も片づけないとダメなんだな~ というか、
所有物(住まいの状態)と、心と、人生の展開は連動している、と改めて思いました。

多くの片付け本でも語られている通り、今必要かを見極めて手放すことは、今の自分の状況を把握し、気持ちを確認することにつながるので、人生の新たな展開を求めるなら、片づけは必要。
引っ越せばある程度強制的にリセットされますが、私の場合、同じところに20年以上住んでいるので、「一度チェックしないとな」なものと場所が沢山で、考えただけで疲れてしまう面もあります。


この本で印象に残ったのは、子どもを亡くした母親のお話。
子どもに先立たれた悲しみは一生癒えない という言葉が出てきて、そうだろうな、と思うとともに、私の毒親問題も一生癒えないんだろうな、と切ないような、哀しいような、腹立たしいような、何とも言えない気分です。

彼らがこういう理由でこういう性格なのだろう、ということは、私の中では整理がついています。
関係が良くなる可能性はほとんどないな、というのも分かっています。
でも、自分には、本当の意味での・・・離れていても、幸せを願ってくれていると思える親はいないんだ、ということが寂しく、哀しいのは、一生続くんだろうな・・・。
幼い時に親と別れてしまった人が、いくつになっても親を懐かしく思うのと似ているかも。
「この現実は変えられない」と分かっていることと、心がざわつかないのは別ですから。

こういう気持ちも、物を整理すれば、少しはすっきりするのだろうか―?

こればかりは、あれこれ想像するより、実行してみて自分がどうかを確認するしかないですね。
敵は手ごわいですが、細々とでも続けていこうと思えた本でした。