シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

大いなる看取り   中村智志著

「山谷のホスピスで生きる人びと」の副題がついています。

ドヤ街にある行き場のない人たちに寄り添うホスピス「きぼうのいえ」。
そこで最後の時期を過ごす人の様子がつづられています。

以前は、「苦しくないならいつ死んでもいいや」と思っていたのに、わんこが病気になってから、死が恐くなりました。
自分が死ぬのも、看取るのも怖いです。
もしも夫が…なんて、想像すらしたくない。

「きぼうのいえ」で最期を迎える人の中には、一筋縄ではいかないキャラクターの人も多い(だから、最後に行き場がないとも言えるし、それだけ自分に正直に不器用に生きてきた結果とも言える気がします)。
でも、どんな人でも、他人の暖かさに接して、穏やかな気持ちでいたいんだな・・・と分かり、自分が最後にこういう場所にたどり着けるんだろうか?とも思いました。


看取る立場で考えると、旅立って行く人の希望を優先して、伴走するのがいいんだな、と感じました。
つい、「それは体に悪い」とか、「こうすれば少しは体調も良くなる」とか、そういう基準に頼りたくなりますが、終末期に、本人に無理な我慢をさせたり、嫌な目に遭わせて、何になるんだろう。
それで命が数日~数か月延びて、何になるんだろう。
それよりは、満足できる瞬間の連続の方がいい。自分が死ぬ立場でもそうです。

わんこを見守るときも、わんこがどうしたいのかを第一に考えて、選んでいこうと思います。

「どうすればいいか迷ったら、わんこに聞く」