シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

日本人の死に時   久坂部羊著

そんなに長生きしたいですか という副題がついています。

在宅医療に関わって、長生きの辛さも見てきた人の著書だけに、言葉にも重みがありました。
10年前の本ですが、内容は今でもそのまま納得できます。
10年前よりは、命を延ばすだけの延命はやらないという選択肢を!という声が大きくなっているのかもしれませんが、まだまだ現場では出来ることは全部やる、なんだろうな・・・(訴訟対策もかねて)

肉体の衰え
要介護になった時の居場所の問題(施設でのQOLや虐待、費用など)
過剰な医療が一因になる終末期の苦痛

内容に納得できるだけに、じゃあ自分はどうしよう?と思ったとき、いい知恵がないです。
以前は薬局で働いていたので、高齢長患いの苦痛や不安、介護する人の苦労も垣間見ているので、長生きがいいとは思っていませんでしたが、こうやってまとまった形で突きつけられると・・・。

「○歳を過ぎたら病院には行かず、自宅で死ぬ」を決行するだけの心の強さもないしなぁ。

父方の祖母は認知症&寝たきり、意思疎通も難しい状態だったのに、食べられなくなったら胃ろうにされて、数年過ごしました。
胃ろうになった経緯は知りません。
祖母は、少なくとも食べられなくなった時点で、そのまま旅立ちたいと思っていたんじゃないだろうか…。



今はわんこのことで迷いが多いです。
これまでは、早期発見、早期治療開始でわんこを病苦からある程度守ってきました(腎臓病や心臓病など)が、リンパ腫は、抗がん剤はやらないと決めたので、転移しているかの検査はわんこが苦しいだけです。
「症状が出た時に、緩和ケアの内容の選択のために必要なら原因を突き止める検査をして(検査しても出来るケアが同じなら検査せずに)、最大限の緩和ケアする」のが一番いいと思っています。

じゃあ、もう検査は全部不要!かというと・・・やっぱり腎臓病など、ケアで苦しみを避けられる持病の管理のためには、血液検査くらいは必要だと思うし・・・。
その時々のわんこの体調・体力と相談しながらの模索が続いています。

今、我が家のわんこが受けているケア(QOL最優先)を、今の高齢者のどのくらいの人が受けているかと考えると・・・終末期を過ごすには、大病していなくても、かなりの覚悟が要りそうです。