シンプルライフへの遠い道

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家族はなぜうまくいかないのか 論理的思考で考える 中島隆信著

経済学の視点から家族を考えた本。
結婚するかどうか、夫婦、親子、孫と祖父母、沖縄の家族問題などについて書かれています。

経済学の視点は分かりやすくて面白かったです。
金銭以外も含めたコストで考えると、
もてないけど、パートナーが欲しい人は、結婚を選ぶ方が利にかなっている・・・結婚すると別れにくくなる(わかれるコストが上がる)し、パートナーを新たに探す大変さを回避できるから。 
確かにそう。

一番「お!」と思ったのは、子供の認知問題。
離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子供として扱われる のは知っていましたが、これについて、「私の子供じゃないよ!」と申し出る権利(嫡出否認)が男性にしかないと聞いて、「おかしいよ!」と思いました。
著者も、女性にこの権利を認めることは理にかなっている、と言っていますが、私も全く同感です。

何らかの事情で別居し、離婚が成立していない時に別の男性の子供を妊娠することもあるわけで、この時、女性(妻)が、「夫の子供じゃない」と主張できれば話が速いし、子供の福祉(無戸籍を避けるなど)にもいいと思います。

そもそも、結婚・親になることに関係する権利が、男性にしかないものがあるって男女差別でしょ。

今は、DNA鑑定もあるので、親子関係の立証は以前より簡単になっているし(安易にDNA鑑定することへの是非はあると思いますが)、現実に起きているトラブルを回避できるように制度を改めてほしいと思います。