シンプルライフへの遠い道

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ケアのカリスマたち――看取りを支えるプロフェッショナル 上野千鶴子著

ご自身が「おひとりさま」(独身・子供なし)で、在宅死希望だそうで、現在の在宅で最期を迎えたい高齢者のサポートがどうなっているか、いろいろな先駆者(と言っていいと思います)との対談をまとめた本。

Amazonの内容紹介はこんなです。
『おひとりさまの老後』の上野千鶴子が、日本の在宅介護・医療のフロントランナー11人に体当たり!
在宅看取りのノウハウからコストまで、大胆に切り込んだ対談集。

対談相手は、医師、看護師、介護士、専門職ではない人・・・などなど多岐にわたりました。


以前は、居心地のいい介護施設で最期を過ごせたらいいな、と思っていましたが、最近は、自宅がいいかも、と思い始めています。
私が平均寿命まで生きたら、希望するケアを受けるには莫大な資金が必要かもしれません。
高齢者があふれかえる時期と重なりますからね~。

著者は、団塊世代までは自宅保有率も高いので、家賃がかからない自宅で、必要な医療・介護のサービスを受けながら過ごす方が、コストも安くて済むと言っていますが、あれま、家のない私はどうするの~~。
でも、家余り時代になっているので、家を買うのもリスクだとも思うし、今後は「終の棲家問題」は大きな課題になりそうです。

介護保険のサービスだけでは、「おひとりさまが最後まで自宅で」は難しいですが、足りない分は自費でサービスを手配すれば、可能なんだと分かりました。
 ・・・・対応してくれる人たちがいて初めて成り立つことですけど。

国が在宅看取りを増やそうとしているのは知っていましたが、「家族の負担が増えるだけ」とマイナスイメージでした。
でも、実際に、その実現のために工夫して実践している方々がいるんだとこの本で知って、心強かったです。
まだ一部の動きだとしても、後に続く人が増えて、いい具合にシステム化されれば・・・と希望はもてました。

私としては、本人の希望最優先で事が進んでいくのが理想ですが、実際には自分で決められない・決めたくない・考えたくない人も多いわけで、システム作りも難しいな、と思ったり・・・いろいろと考えさせられた一冊でした。




国は費用抑制のために、「地域ボランティア活用」を当てにしたいらしいのですが、そりゃ無理でしょ、と思います。
なぜなら、もっと人手が必要になる10年後以降、多分、年金受給開始年齢がさらに引き上げられ、「地域ボランティア」として家事手伝いを期待されている(であろう)子育てがひと段落ついて、まだ体力もある50代、60代の主婦層は、自分の老後の為に働きに出なきゃならないわけで、ボランティアしている暇はないんじゃないの?と思うから。
その年代は、「孫育て要員」としても当てにされているわけで、そんなに働けませんよ。

私も、たとえば、わんこ仲間で一人暮らしの方が、弱ってきたからと頼まれれば、お手伝いしたいですが・・・これが、「月1~2回 必ず」のようにあてにされると正直困ります。
年2回ならいいですけど(笑)
こういう、なんちゃってボランティアを活用するシステムが出来ればいいのかな・・・。

素人にできるのは、自分がどうしたいかを考えること、試行錯誤を続けること、
可能な範囲での「助け合い」を大事にすること(挨拶を交わすだけでも心の助けになると思うのです)・・・そういうことから、なのかな、と思いました。
言うは易し・・ですけど。