シンプルライフへの遠い道

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病気になりやすい「性格」  辻 一郎著

自分が原因不明の体調不良に悩まされているので、「なぜ病気になるのか」には興味があります。原因が分かって、取り除ければ、少しは元気になるかも、と思っているから。
 
この本では、肥満、心筋梗塞、癌、認知症について、著者が5万人を調査して、性格と病気の関係を調べた結果と、国内外の他の研究者の調査結果を紹介しています。
 
心筋梗塞では、食事を厳密に管理して食事の影響の差が出ないようにしたサルの実験が興味を引きました。
不安定な状況下で、ボスになる(戦って上に立とうとする性格ということ?)は、心筋梗塞になりやすく、安定した状況下では下っ端のサルの方が心筋梗塞になりやすいそうです。
 
 
認知症のリスクを、著者は以下のように考えています。
アルツハイマー性病変」+「脳血管性病変」+「ストレスによる海馬のダメージ」
                                              -「脳の予備能」
 
最初の二つは生活習慣と、生活習慣病になった場合は治療することでリスクを減らます。
 
神経症傾向(私のことだ!)だと、ストレスをためやすく、海馬にダメージを受けやすいので、ストレスマネジメントでダメージを減らす。親と距離を取ったのは大正解です。
 
脳の予備能は頭を使うことで増えるそうで、中年期以降は社会的ネットワークが豊富で活動的な人は予備能が大きくなるそうです。
人との付き合いが好きでない人は、一人でもできることをやればいいと言われて、かなりホッとしました。
こうやって、あれこれ考える性格も、粘着質だな~とネガティブに思うことも多いですが、頭を使うという意味ではいいのかも。
 
 
新しいこと(初めての出来事、冒険、芸術、非日常的な考え、空想、新しい環境など)を受け入れる性向の高い人は長生きしやすいそうです。
99歳まで生きた祖母がそうだったそうです。高齢期、一緒に旅行に行くと、娘たちより珍しい食べ物にチャレンジしたり、「あそこまで足を延ばしてみよう」と探究したりしていたそうだし、多分新しい環境(施設での生活)にもなじめたから、亡くなる直前まで介助があれば自分で用足し出来たのかな、と思います。
 
よく言われるように、楽観的でポジティブな方が長生きするそうで、同じ出来事でも大きなストレス源にせず、上手に流せるほうが、心身のダメージが少ないからだそうです。
 
人とのつながりが大事なのも事実だそうで・・・私には苦手なので課題ではありますが、
「もしもの時相談できる人がいると安心。助けてもらうあてがある。」が大事なら、ある程度は公共サービス利用などでも代用できると楽観的に考えよう(笑)
 
 
面白いと感じたのが、
人生の苦難も天の与えた乗り越えられる試練と受け止めて取り組む(場合によっては逃げる)
感謝の気持ちを持つ
過去や未来を気に病まず、現在に集中する
変えられない部分はそのままにして、変えられる部分を変えるよう努力する
  など、宗教やリラクゼーションなどで言われることの実践が、
  結局は長生きする人の特徴になっていることでした。