シンプルライフへの遠い道

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精神疾患は、「秘すべき家族の恥」なのか?

先日、友達が、
「さほど親しくもなっていないのに、家族のことを聞いたら、兄弟が精神疾患だと言われて、ドン引きしたの。 ふつう、言わないわよね~?」
                                               と、言いました。
 
これが多くの人の感覚なのでしょうか。
 
相手から、身内に精神疾患の人がいると言われたら、どう返せばいいか困るのはよく分かります。
でも、「ふつう、言わないこと」なのかな?
「ふつう、言わないこと」=「秘密にするべきこと」=「家族の恥」ってことなのでしょうか?
 
正直、私も以前はそう思っていました。「恥」とは思わないけれど、偏見もあるから、「言わない方がいいこと」と。
 
自分が変わったのは、十数年ぶりに友人の結婚式で会った同級生が、「私の子供、自閉症なの。」とさらりと言ったのがきっかけです。
そうか、別に隠すことでもないよな。そういう個性なだけで、恥でも罪でもないのだから。
逆に、さらりと言ってもらえて、うれしさもありました。
少なくとも、「言えば露骨に変な顔をしたり、偏見をあらわにする人ではないだろう。」とは思ってくれていたのかな、と思えたからです。
 
それ以来、私は義兄と義姉の精神疾患のことは隠していません。
自分からは言わないけれど、聞かれたらありのまま言います。今のところ、聞き流してくれる人ばかりです。(陰で何と言われているかは分かりませんが)
これは、自分に子供がいないので出来ることだな、とは思っています。
敢えて言うことにしているのは、世の中には、一定割合で、色々な病気や障害を持った人がいるということを知ってほしいからです。
 
自分の経験で分かってきたのですが、「自分の周りにはいない」と思っているのは、本人や家族が言えずに隠しているからで、気を付けて観察してみると、実は様々な困難や事情を抱えた人はとっても多いです。
 
 
 
今は、私の経験内では、身内に認知症の人がいることは、「ふつう、言わないこと」と思っている人はいない感じです。
 
他の病気なども、「別に隠すことでもない」世の中になっていったらいいな、と思います。
「いいにくいことがある」だけで、当事者は苦しさが増すのですから。