母親と娘の関係を中心に書かれた本。
簡単に言うと、自分が不幸だけど、それを認めたくない母親は、娘の幸せに嫉妬し、妨害する。
その呪いを受けた娘は、母親に嫌われたくないので、無意識で幸せを避けるようになり、本人は努力しているつもりでも幸せになれない、というお話。
自分のことだな~と思いながら読みました。
母親の設定も、私の母親と全く同じ。
夫に愛されていないor愛情が足りないことへの不満や不幸感があるが、それを認めると、自分は夫選びに失敗したことを認めることになり、耐えられない。
で、それから目を逸らし続けるために、「自分よりちょっと不幸な娘」が必要になるそうです。
私の母親はそうです。
この本では、娘が何かで失敗したり、病気になったりすると母親は(無意識に)喜んで、娘にやさしくする、とありましたが、私の母親は違います。
弱ったところを逃さず嘲ったり、責めたり。
病気になると毎回嘲ったわけではないです。看病してくれたことの方が多い。
でも、私が病気の苦痛から逃れることを願われていると思ったことはないです。
「薬を飲ませ、消化の良いものを食べさせ、寝かせておけば治るはずだ」な、寄り添う気持ちのないものでした。
今となっては、「でも、病気の時は本当に心配してくれたもの!」と”親に愛されていたはず”の思い込みの妨げが一つなくて良かった~ ですが、子供の時は本当に哀しかったです。
この手の親は、「子供を愛さない親はいない」とよく言うそうです。
(本当に子どもを思っている親はわざわざ言わない)
自分が子供を愛していないことを無意識では知っているので、自分に言い聞かせているのだそうで。
それで私の両親は、「子供たちが何より大事」だとか、「どれだけ家族を思っているかお前たちは分かっていない」だとか、自分の愛をアピールし続けていたんですね。納得。
この「幸せ恐怖症」から回復するには、
自分は親が嫌いとはっきり自覚すること(現実を見つめ、受け入れること)
自分を愛してくれない親が嫌いなのに、好きだと思い込む自己欺瞞が幸せへの道を閉ざしているから。
親と別居すること
自分より幸せになってはいけないオーラを浴び続けていては、回復できないから。
味方を見つけること、自己分析を続けること・・・・
色々なACからの回復手引書と同じ趣旨の内容でしたが、今のやり方でいいんだな、と確認できました。
でも、この著者は、女性相談者にわいせつ行為を働いて逮捕されたそうで。
最初は、ふむふむと深く納得しながら読んでいたのに、この事実を知って、急に冷めてしまいました。
この本の内容は、なかなかいいものだと思うのですが。