秘密保持のため、他の囚人たちからは隔離され、定期的に入れ替え(殺された)そうです。
ただ、食事や寝床の待遇は他の囚人より良かったそうです。
淡々と語られる言葉に、胸が詰まりました。
著者が自分の経験を語り始めたのは、解放されて50年近くたってから。
それでも、詳細なのです。多分、あまりに辛い記憶が薄れることなく刻印されているからでしょう。
「夜と霧」を読んだとき、私は自分が飢えて、へとへとに疲れ切っているときに、他人にやさしくなんてできないだろう、と思いました。
生きる意味を持ち続けるのも難しいだろうな・・・。
この本の著者が、「飢えていると、皆生き延びるのに必死で、囚人同士の連帯など生まれない」と語っていて、そうだろうな、と思いました。
家族や大事な友人は守ろうとしても、赤の他人に配慮する余裕なんでないだろうな・・・。
自分が極限状態に置かれたらどうするのか、分かりません。
精神性も含めて、自分の限界を受け入れて、「こうあるべき」に縛られないのが生き残る道なのかな・・・と思いました。