シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

あなたの子供を辞めました 中井宏美著  2

この本でもう一つ思ったこと。
 
虐待加害者の母親の立場から見ると、虐待することで精神のバランスをとっていたんだな~  
                                                   ということです。
 
この母親は、アルコール依存症だった自分の父親に、
「お父さんなんか死んでしまえばいい!」
と言った翌日、父親が自殺。自分が第一発見者になります。
自分が父親を死に追い込んだという罪悪感を抱えて生きているのだそうです。
 
子供たち(著者が一番酷く虐待されていました)が大きくなって、虐待で憂さ晴らしできなくなると、心を病んで、大量の薬の助けで何とか生きているとか。
 
心の大きな傷は、苦しくても、癒していかないと、
周りの人はもちろん、本人も蝕んでいく・・・・・・・
 色々な本などで知っていた情報が、具体例で示された感じです。
 
 
 
自分の親を見てみると、二人ともそれぞれ未解決問題を抱えています。(と私は思っています)
二人とも、自分の問題と向き合う気は全くありません。
問題があることも認めていません。でも、とっても元気です。
 
母親は、自分の夫がモラハラだとは分かっていますが、
  「自分は悪くない、被害者だ。」 で止まっています。
  モラハラ夫とどう向き合っていくか、どうあしらうかは自分の責任だとは思っていません。
 被害者の自分が、子供に夫の愚痴を垂れ流したり、精神的フォローを求めるのは
 当然の権利と思っているようです。
 夫は子供たちから疎まれても、自分は大丈夫!という妙な自信まであって、不気味です。
 
父親は、気弱な小心者な自分を隠して、家族に対しては、自分は常に正しく、絶対的な支配権があると思っています。
家族それぞれにも気持ちがあることを認知しないので、兄も私も去っていることすら認めていません。
ちょっとおかしくなって離れているだけで、そのうち頭を下げて戻ってくると思っている風です。
 
 
二人とも、心を病む気配もないところを見ると、
現状のままで、楽しく生涯を全うするんだろうな~ と思います。
 
父親は自分の心の重い部分を完全に封印して、
母親は、「自分は全然悪くない。」という思いに支えられて、バランスをとっているのでしょう。
 
親の呪いの重さに耐えかねて、生き辛さを無視できなくなっている私からすると、
それでバランスが取れている親が羨ましいです。