シンプルライフへの遠い道

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殺人者はいかに誕生したか     長谷川博一著

臨床心理士の著者が凶悪事件の犯人と直接面談や文通をして、
「どうして犯罪が起きたのか」
を主に生育歴から考察しています。
 
見事に「児童虐待被害者」ばかり。犯人達の言葉・・・
  ・5歳ごろにはもうどうしようもない性格になっていた。2,3歳までが一番大事。
 
  ・無期懲役になって、世間に戻ったら、また犯罪を犯す自分を止められない。
   だから死刑になるしかない。
 
  ・(心理テストで)「本当の親と暮らしたい」「偽の親が私を内緒で育てた」
        (家族の人数分の椅子が食卓にない家庭で育ったそうです。)
 
生まれつきの障害を、自分たちの見栄のために放置して、治療を試みなかった親・・・
(今回のはげ事件と重なって、哀しい)
 
この本を読んでいて、自分の過去とも重なって、何とも言えない気持ちになりました。
 
 
加害者の父親の一人は、(別の本で読んだのかも)
 「自分の孫を殺した女を産んだお前とは離婚する」(自分は父親なのに)と言って離婚。
 ”自分の”孫にだけ言及して、もう一人の被害者のことは考えなかったのかな?
 自分も加害者の親だってことから目を逸らしすぎ!
 
 この父親は、義父みたい。
 「(母方の血筋のせいで)気違いが生まれるから結婚するな」と夫に言ったそうです。
  根拠ないし、義兄・義姉が病んだのは(回復できないのは)義父の虐待のせいなのに。
 「(今回の縁談が流れても)片親の娘とかなら嫁に出来る」と、差別発言のおまけ付き。
 
何だかね・・・
「何があっても変わらない虐待加害者」っているんだね。 
実例を聞くとがっくりきます。
 
 
犯罪を犯してしまったら、制裁を受けるしかない。
それは、育ちがどうだった、こういう不運が重なった、という言い訳は通じません。
 
そうなる前に、子供のときの虐待から守られなければ。
          子供の精神的な逃げ場所が沢山ある社会になれば・・・と思います。
 
 夫が病まずに済んだのは、
   ・上二人で失敗したから、お前は放置しておいた(義父談)
   ・3ヶ月のときから保育園に預けられて、保育士さんたちの健全な愛情に接していたから
     (ごく幼い時から、保育園という逃げ場があった・・・夫談)
                                 こういう理由かな?と推察しています。
 
 
では、虐待防止に私に出来ることは?
う~ん(--;
具体的に活動するのは難しいです。
でも、わんこに寄って来た子供たちには優しくするとか、そういうことなら出来る。
ほんの少しでも、「自分はここにいていいんだ。」「世の中自分を排斥する人ばかりじゃない」と思える瞬間になったらいいな、と思います。