父は、祖父が酒癖が悪く、性格も・・・だったので、ああなってしまったのだろう、と想像はつきます。
母については、よく分かりません。
母方の祖父母は、少なくとも私の知る限り、穏やかな人たちだったし。
母方の叔母達も、そんなに親しいわけではありませんが、世間話をする程度の付き合いで、嫌な感じがした事もありません。
祖父母に大きな問題があったか、私には分かりません。
母のキーワードは「不安」です。
社会や学校などのルールから外れることを極度に恐れています。
学校の決まりを守ること、先生の言いつけを守ることをいつもしつこく言い聞かせ、子供にそれを求めました。
今思うと、強迫観念的なこだわりがありました。
「年齢相応」へのこだわりにも、たじろぐものがあります。
服装や持ち物が”年齢相応”か常に気にしていました。
どうせそんなにはじけた格好をするわけでもないのだから、好きなものを身につければいいと思うのですが、自分の好みや判断より、年齢相応かにこだわっていました。
流行にはなぜか激しく抵抗して、流行を追う人をいつも非難していました。
今度の体調不良でも、私が「母の体質が遺伝したせい」と言ったら、それが気になって仕方ないらしく、それまでの原因究明は中止になり、私の体調自体への関心はなくなり、「遺伝かどうか」にこだわっています。
母のこうした性格は、もしかしたら、「引き上げ」の経験から来るのかな？と推測しています。
祖父母は戦前アジアにいましたが、終戦を機に引き上げました。
帰国後の生活は厳しく、最初は親戚の家に身を寄せていたそうですし、私の想像を絶する苦労があったのだと思います。
母はその頃まだ幼児でしたが、何か自分の両親の力の及ばないところで、大事件が起きて、自分達の生活が根元から崩れてしまったのを感じたことでしょう。
親戚宅に身を寄せていた間や、そのあとの生活再建期間の両親の苦労を見て、わがままも言えずひたすら我慢の日々だったのでしょう。
つぎつぎ妹達が生まれて、「姉」として、我慢させられたことも沢山あったでしょうし。
この経験が、トラウマになって、母の性格に大きく影響したと推測しています。
自分の意志や力の及ばないところで、全てがひっくり返ってしまうかもしれないから、不安。
せめて、自分の力で何とかなるところは、秩序立てておこうとするのでしょう。
それが子供たちへの過剰な干渉になり、母基準の「ちゃんとした人生をあゆむこと」の強要になっているのだと思います。
今、母を捕らえて離さない不安は「自分の老い先」のようです。
平均余命で考えれば、夫は先に旅立ち、自分は一人になります。
「老いて独り」はあまりに厳しい・辛いことです。
それで、それを何とかしようともがいているようです。
それが、・いつまでも健康でいられるように体力づくり
・独りになってもいいように、不安解消になる情報収集
・友達作り
などならいいのですが、「自分の面倒をみる人探し」になっている感じです。
それまで、同居して介護、までは出来ないにしても、入退院の世話などはすると約束してくれていた兄夫婦に絶縁されてから、一気におかしくなっています。
「お父さんも○○（私の名）ちゃん、○○ちゃん、って言うのよ」
あなたを頼りにしたいと思っている（老後を頼みたいけど･･･）と探りを
入れている雰囲気はありあり。
そこに父を出してくるあたり、母の狡さも見え隠れ。
「私もわんこになりたいわぁ」
うちのわんこはからだが弱いので、至れり尽くせり。
冬場はわんこが寝ていると布団をかけてあげるし、
どんな早朝でも（気分が悪くて呼ぶことがあるので）鳴くと夫が駆け
つけます。
ちょっとでも様子が変だとすぐ病院に行きます。
その話を聞いたときの反応。
「お母さんも、もう世話をされる年齢になったし･･･」
特に持病もなく、旅行に行く元気もある60代半ばで、
何を言っているのか･･･
現時点では、微熱でふらふらしている半病人の私より余程元気です。
私には甘えにしか聞こえません。
この超高齢化社会では、どちらかと言うと、まだまだ周りを世話する
年齢ですよ。
私も自分の老い先は心配なので、母の気持ちも多少は分かります。
でも、自分の老い先の始末を誰にやってもらうのは、叶わぬ夢です。
それは子供がいるかどうか、財産があるかどうかに関わりなく･･･
自分の最期は、結局自分の歩んできた人生の集大成と腹をくくって受け入れるしかないんだろうなぁ、その覚悟が出来るようになりたいものだ、と思っています。
母に同じ考えを求めることは出来ませんが、どこかで、自分で気持ちの整理をするしかないと気付いて欲しいものです。
でないと、老人性うつになりそう・・・
