いつか別れの日は来る。でも、それは今日じゃない。
そう思って暮らしてきたんだな。でも、その日が来つつあるんだな、と今日体験しました。
今日夫と直接面会でした。話せる間にもう一度だけ会わせてほしいとお願いして、担当医の許可が出ました。次に会えるのは、危篤の時(間に合わなければ、亡くなった後)。
一週間前の面会の時より痩せて、小さくなっていました。面会を来週月曜にするか迷いましたが、早い方がいい!と今日にしてもらって良かったです。少しでも元気なうちに会っておく方がいい。
話しかけると返事はあったし、私のこともちゃんとわかってくれて、嬉しかったです。
残念ながら、夫が何と言っているか、一生懸命耳を澄ませても理解できないことが多かったです。夫が「ここにいて」と言ったように聞こえました。
心残りがないように、ありがとうってたくさん伝えました。他にも言いたいこと、伝えました。カーテンの向こうで他の患者さんのケアをしている看護師さんに聞こえるよな~とは思ったけど、恥ずかしがっている場合じゃない。言いました。
最後は、噓は言いたくないけど、さよならも言いたくなくて、「またね~」って別れました。
またね~なら嘘じゃないよね。またあの世で会いましょう。
直後に、看護師さんがやってきて、「ご主人から伝言です。好き、って言ってました。”ちゃんと奥さんに好きって言った?聞いたら、”言ってない”って言うから。」と知らせてくれました。患者家族へのリップサービス的なものも入っているのでしょうが、例えそうでも、気遣いを嬉しく、ありがたく思いました。
夫は4人部屋に入院しているので、他の患者さんが痰の吸引をしてもらったり、ケアを受けている様子がダイレクトに伝わってきました。賑やかで、こういう「大きな家族」「合宿生活」な感じで夫は暮らしてきたんだな~と知ることができて救われました。
無理して在宅看取りにしなくて良かったのだ、とも思えました。この病院にはもう2か月半お世話になっています。慣れたスタッフさんたちや雰囲気の中で過ごす方が夫も落ち着くよな。
私とまったり二人で最後の時間を過ごせるなら、それはそれでいい時間になるかもしれませんが、在宅看取りの場合は、介護ヘルパー、訪問看護師、訪問診療医など、新しい人達のケアを受けることになります。人見知りが激しくて、そのくせさみしがり屋の夫には、あまりいい環境じゃなくなっていた気がします。
私も慣れない介護に気を取られて、どれだけ夫に寄り添っていられたか・・・かなり怪しい。
帰りに、ふとその気になって、髪を切りました。