シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

私は私のままで生きることにした キム・スヒョン著

内容は書名の通り。

韓国は日本より自殺率が高く、生きづらい社会なんだろうな~と思っていたのですが、その理由が少しわかりました。

戦前、日本がしたことが大きく影響していると思ってきましたが、それだけでなく、朝鮮戦争や軍事政権時代の傷も大きいようです。

自殺率が高く、出生率が低いのは、この社会を「生きるに値しない」と思っている人が多いからというのも、今の日本に当てはまりますね・・・残念ながら。

不要な生きづらさがこの世から減るように願ってはいますが、実現のためには、自分の中にある差別意識とか、傲慢さとか、臭いものに蓋をしている現実とか、見たくない自分と向き合う必要があるので、しんどい。でも、この本を読んで、理不尽に耐えることより、経験に値するしんどさかな、と感じました。

 

卑劣な人間から自分の尊厳を守るために必要なのは、抵抗すること。それが、たとえどんな小さな抵抗だとしても。

完璧な人間でないからといって、その人を嫌いになることはない。完璧なふりをする、その傲慢さに嫌気がさすのだから。

既製品の靴が合わなくて痛いのは、足が悪いからではない。

 

自分ではない姿で愛されるくらいなら、ありのままの自分の姿で憎まれた方がましだ。 カート・コバーン

自由に生きたければ、なくても困らないものを遠ざけなさい。 トルストイ

 

私は「社会参加」とか、「人とのつながり」をやたら大げさに考えているな、とも改めて感じました。

全ての前提が、「自分はダメだ」なので、今の自分がやっているちょっとしたことではお話にならない、と思っているようです。細分化していけば、世の中のすごいことも、私にもできる”ちょっとしたこと”の集合体なのでしょうけど。

 

どこかで聞いた話をまとめた本、とも言えますが、著者の淡々とした、実感を伴う語り口のおかげで、素直に読み進められました。