副題:全身末期がんから生還してわかった人生に奇跡を起こすサレンダーの法則
私には親子関係の整理の助けになった一冊ですが、内容は副題の通り。
肺がんがステージ4で見つかり、最初は抗がん剤治療は受けず、民間療法をやっていた著者。さらにがんが転移し、体調も悪くなったところで、遺伝子検査でアレセンサという薬が使えることが分かり、使ったところ、がんが消え寛解。(執筆時の)2年後もその状態が続いている。
アマゾンレビューにもありましたが、「結局アレセンサが効いた、って話でしょ」と言えなくもないです。
私は、著者の言う通り、色々な下準備が終わった段階で使ったから効いた、に1票かな。
最初の病院で担当医は遺伝子検査(ALK)をすると言っていたのに、結局やっていなかったそうで、うっかりだったのか、治験を受けて欲しいからわざとなのか、よく分からないし、検査結果を確かめない著者もよく分かりませんでした。
そういうことも含め、何か、縁というか、タイミングがあるのかな、とも感じました。
自分がメンタルと体調の関係に興味があるので、著者が自分の完璧主義と父子関係の関連や自分が一番自分を認めていないことに気づいたり・・・不要なダメ出しが減ったことも大きいのだろうと思ったり。
ご本人は、”おおいなるもの”への明け渡しが契機になったと感じているそうです。
依存症治療でも、自力ではどうしようもないと悟る「腹落ち」が大事だそうで、それと同じなのかな。自分でコントロールして何とかしようともがいている間は、真の寛解には近づけない。自分の経験でも、もがいている時って、心身全てに力が入って視野狭窄を起こしているし、すぐに疲れて、感受性も鈍るし、しんどいだけでした。でも、私はここを通らないと、「もう、自力ではどうしようもないな・・・」という境地にはたどり着けなかったし、それもよく言われることなので、おそらく、気が済むまでじたばたするのも必要な過程なのでしょう。
幼児が、一通り泣き叫んで暴れたら、エネルギーを発散して気が済むのか、ケロリとするのに似ているのかも。そこを叱ったりして止めさせて抑圧すると、その場はおさまっても、エネルギーが昇華されないので、内に溜まっていずれその子を殺しにかかる気がします。
歌ったり、踊ったり、童心にかえって己を緩めること
頭の中を空・無にして、すべてを腑に落とす
明け渡し、ただそこにある Being
己(の魂)との会話
私が気になったのはこういうところでした。
ただ、明け渡しが出来れば、万病が治るわけではないし、
体調が悪いままなのは、明け渡しが出来ていないから(本人の努力・工夫不足)でもないということは、肝に銘じておきたいです。