シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

☆言葉・本☆

エンディングドレス  蛭田亜沙子著

私には珍しく小説です。夫に先立たれた32歳のヒロインは、自分の死ぬ準備でロープを買いに行った手芸店で見かけた「死に装束を縫う洋裁教室」に通い始めます。そこでの出会いや、課題をこなしながら過去を振り返えったりして、徐々に変わっていく話でした。 …

だけど、生きている 後藤晃江著

乳がん闘病記。・・・というより、契約社員などの非正規雇用の待遇改善を訴えたくて書かれた本。 著者は独身の契約社員で、経済的な事情もあり、契約を切られるリスクを避けるため、乳がんと分かってからの検査、手術、放射線治療、ホルモン療法を会社に言わ…

哀しみがあるから人生は面白い 下重暁子/弘兼憲史著

対談本。哀しみの話メインかと思ったら、一部でした。 お二人とも自己肯定感がしっかりあって、自分の価値観も把握しているし、そういうところはいいな~と思いましたが・・・自分とは違う感性の人がいることは理解していても、自分とは違う感度やイレギュラ…

人は、人を浴びて人になる 夏苅郁子著

副題:心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い 夏苅郁子さんの半生記。「心病む母が遺してくれたもの」と重なる内容ですが、エピソードなどは微妙に違っていて、両方読んで、一層どういう日々を過ごしてこられたのかが分かりました。 …

一〇五歳、死ねないのも困るのよ 篠田桃紅著

著者は墨を用いた抽象表現主義者。美術家。 以前、インタビュー番組を見て、考え方や生き方が面白い人だな~と思っていました。今年の3月、107歳で老衰で亡くなられたそうです。 この本を読んでも思いましたが、私が惹かれる人の言うことは、大体似通っ…

心病む母が遺してくれたもの 夏苅郁子著

副題:精神科医の回復への道のり 著者の半生記。 著者のお父さんは、あまり家に帰ってこず、家にお金も入れない人だったそうで、そういうストレスもあってかお母さんが統合失調症を発症。お父さんも子供だった著者も、最初は母親が精神疾患だとは分からず、…

戦中・戦後の暮しの記録 拾遺集 戦中編 戦争が立っていた

以前読んだ戦後編の前に出版されていた”戦中編” 食糧難や、世の中がどんどん戦争下になっていく様子、空襲や原爆、特攻の話など・・・気楽に読める内容ではありませんでしたが、これが実際に起こったことであり、庶民の暮らし、気持ちはこんなだったんだな・・・と…

「愛」するための哲学 白取春彦著

著者の行動瞑想の本が良かったので、別の本も読んでみました。 「愛」とは何か、「愛」する能力を強く育てるための生き方などのお話。 「愛」は言葉にするのは難しいですが、私は思いやりや共感、押しつけでない寄り添い、共にあること、相手の幸せや平安を…

わたしのおひとりさま人生  松原惇子著

作家生活35周年記念エッセイ。自叙伝。 先日読んだ90代のお母さんとの同居生活の話が面白かったので読みました。 今はお母さんとの同居をやめて、団地一人暮らしをしているそうです。 以前は、おひとりさまが家を買うことを推奨していた著者ですが、今は、賃…

母の老い方観察記録 松原惇子著

持ち家(マンション)で暮らしていた著者が、65歳で漏水問題からマンションを売り、母と実家で同居することに。そこで目の当たりにした母の暮らしぶりについての本。 著者のお母さん、なかなかのスーパーウーマンです。 著者が71歳、お母さんが92歳、…

この歳になってわかったこと  祖父江逸郎著

著者は 元戦艦大和 乗組軍医、長寿科学振興財団名誉理事長 この本は2020年12月出版ですが、2021年3月に100歳で亡くなられたそうです。 著者の戦争体験、"この歳になってわかったこと”、健康でいるために、老いと死についてのエッセイ。 99歳でこの内容の本…

戦中・戦後の暮しの記録 なんにもなかった 拾遺集戦後編 暮らしの手帳社

公募した戦後の暮らしについての記録集。 両親は戦前生まれで、戦後の食糧・物資不足の中育ったので、いつもお腹が空いていたとか、生活必需品も手に入れるのが大変だったという話を聞いて育ちました。 が、実際に自分が飢えたり、本当にお金に困ったり、必…

カネなし・運なし・色気なし 底辺女子が会社を辞めて幸せになった話。 フジコ著

最初に入った会社がブラックで、半年で体調を崩して退職。その後アルバイトで食いつないでいたものの、病気で入院することになり、このままではまずいと再就職。 色々あって、起業して、小さな雑貨屋さんをやっています! な著者の体験記。 たまたま目にした…

アウシュビッツで君を想う エディ・デ・ウィント著

ナチスの強制収容所体験談。つい手が伸びます。 いつ殺されるかも分からない理不尽な状況下で、どう生き延びたのか、知りたいのだと思います。 著者は医師で、収容所内でも妻の所在が分かっており、時々は会って話すことも出来た(それにはもちろん危険が伴…

退歩のススメ 藤田一照/光岡英稔

副題:失われた身体観を取り戻す 禅僧の藤田さんと、武術家の光岡さんの対談 これまでいろいろな本を読んで考えてきましたが、それだけではしっくりこないこと、上手くいかないこと、微妙にずれて腑に落ちないことが多くなり、段々、実体験、言葉にはしにく…

知っておきたいお金の常識 渋谷和宏著

正式書名:ライトミステリーを読んで簡単に身につく知っておきたいお金の常識 書名通り、簡単な小説の後、解説で経済の説明がしてある本です。解説部分だけ読みました。 ・日本はもはや豊かな国ではない ・デフレの時は、超低金利で置いておいても、デフレ分…

遊雲さん父さん 有国智光著

副題:小児がんを生きたわが子との対話 著者は浄土真宗本願寺派住職。 息子さんが小6の秋に小児がん(ユーイング肉腫)になり、中三の12月に亡くなりました。その間~亡くなった後のご自分の心境などをまとめた本。 今年になって、自分の中で「喪失」や「死…

あきらめる勇気 古宮昇著

副題:自分の心を「傾聴」したら本音で大切なことが見えてきた 夫退職話が出る前に図書館に予約していた本です。内容は私にはタイムリーでした。 一つを選ぶということは、同時に何かをあきらめるということ。 「仕方なく何かをあきらめなければならない」か…

日本人が知らない世界標準の働き方 谷本真由美著

2015年刊の「日本人の働き方が9割ヤバい件について」を加筆修正・改題した本。 2021年4月刊。 これまで家計管理を除く経済や労働についての本はほとんど手に取らなかったのに、たまたま図書館の新刊本コーナーで見て借りました。夫退職の話が出る前。虫の知…

ピンク・トライアングルの男たち ハインツ・ヘーガー著

副題:ナチ強制収容所を生き残ったあるゲイの記録 ナチスの強制収容所は、ユダヤ人だけでなく、ジプシーや捕虜、政治犯なども収容されていたのは知っていましたが、男性同性愛者も収容され、ピンクの印をつけられていたとは知りませんでした(収容者は属性に…

心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ ブルックス・パーマー著

署名の通り、片付け本。捨て方、整理の仕方ではなく、捨てられない理由など心の問題に焦点を当てた本でした。 片付け本を読む暇があったら、一つでも捨てなよ、と自分に突っ込みながら読みました。なぜ捨てられないのか、どうしてここまで買い込んだのかを考…

モタさんの死の心得 骨は自分で拾えない 斎藤茂太著

2000年出版の本なので、話の元になっている寿命などのデータやアンケート内容はちょっと古い感はありますが、モタさんの優しい語り口に、ふむふむ、と読めました。(モタさんは精神科医) からだのケアや運動をして、中庸を心掛け、欲張らず・・・という、よく…

生き抜くための12のルール ジョーダン・ピーターソン著

副題:人生というカオスの為の解毒剤 書名通り、12のルールとその解説でした。全部を丁寧に読む気力が途切れたので、ぱらぱらと眺めただけです。内容が自分に合う、合わないの整理がつく前に、”パラ読みでいいかな”になったのですが・・・う~ん、今の私には理…

ひとりで生きる 伊集院静著

エッセイ集。 読んで感じたのは、「別に好きに批判していいんだな~」ということ。 この本で、著者が誰かを不当にこき下ろしたりしているわけではありません。ただ、正直な”感想”が、軽蔑交じりの批判のこともある、というだけ。 私は、親きょうだいに嘲笑さ…

さるの湯  高橋克彦著

注!ネタバレあり 友人の紹介で読んだ短編。20分もかからず読み終わったのに、未だに感想がまとまりません。 最初に浮かんだのは、他者との出会いや交流を通じて己を知っていくし、次のステージに進むエネルギーやきっかけなどもやってくるんだな、というこ…

病んだ家族、散乱した室内 春日武彦著

副題:援助者にとっての不全感と困惑について 副題の通り、精神疾患のある人や認知症患者への支援をしている人たち向けの本。 著者の精神科医:春日さんは以前から好きで著書をたまに読んでいます。この本はずーっと「読みたい本リスト」にあり、今回、他地…

情報断食 鈴木七沖著

副題:空っぽになるほどうまくいく生き方 接する情報を減らすと、気持ちも安定するし、自分が何をやりたいのかや、どういう問題を見て見ぬふりしているのかなどが見えてくるのは感じています。 もう一歩進める手掛かりがあるかな~と思って読みました。 が、…

香りで気分を切り替える技術 松尾祥子著

正式書名:プロカウンセラーが教える香りで気分を切り替える技術 香りマインドフルネス 監修:東原和成 アロマの楽しみ方も沢山あるのですが、私は入浴剤や石鹸、スプレーは面倒で作っても使わないので、マッサージオイルに混ぜるか、ディフューザーで香らせ…

簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい  ホン ファジョン著

殆どが漫画(かわいいイラスト)で読みやすく、ほっこりするいい本でした。 著者が鬱になって実家に戻ったり、軽い話ばかりではなかったのですが、色々なトライ&エラーが素直に描かれていて、「自分はまだまだだけど、まぁ、現時点ではこれでいいのかな。こ…

人生は大切にしたものだけが残る

姪のお祝いでもやもやしていて浮かんだのがこの言葉。 自分を軽く扱う人の方ばかり見て、希望の反応を返してくれないかな~とエネルギーを注いでいたら、そういう人たちばかりが周りに残って、 「死ぬときには、心優しい人たちに優しくケアされて過ごして、…